日月神示 地震の巻 第十一帖

第十一帖

 

 霊人は、遠くにいても近くにいても、常にお互いに語り得ます。同一線上にいる霊人の言葉は、いずれも同一であって共通します。霊人の言葉は、霊人の想念のままに流れ出るのですから、そのままにして通ずるのです。しかし、相手が聞くことを欲しない時には聞こえません。それはちょうどテレビやラジオのごときものであると考えたらよろしい。またその語ること、その語音によって、その相手のいかなるものなるかは、ただちに判明します。霊人の言葉と地上人の言葉とは本質的には同様ですが、その表現は相違しています。故に、霊人と地上人と会話する時は、霊人が地上人の想念の中に入るか、地上人が霊人の想念に和するか、そのいずれかでなくてはなりません。しかし、霊人の言葉は、地上人の言葉に比して、その内臓するものが極めて深く広いが故に、霊人の一語は地上人の数十語、数百語に価する場合が多く、その霊人が高度の霊人であればあるだけ、その度を増してくるのです。原因と結果とを一にし、さらに結果より生ずる新しい原因も、新しい結果をも同時に表現し、なお言葉そのものが一つの独立せる行為となり、かつ一つの独立せる生きものとなって現われ、行為し、生命するからです。言葉そのものが弥栄であり、生命です。またすべてであるということは、地上人には理解できないでしょう。それは、過去が現在であり、未来もまた現在であり、さらに生前も、生後の立場においては生後であり、死後の立場においては死後である。また一里先も、百里先もまた千万里離れていても、同一の場所であるのと同様であって、理解するに極めて困難です。だが、地上人においてもそれを知り得る内的な生命を持っているのですから、理解することは困難ですが不可能ではありません。霊人の言葉は歓喜より発するが故に歓喜そのものであり、神の言葉でもありますが、その霊人の置かれている位置によって二つのものに大別し得ます。歓喜の現われとしての愛に位置している霊人の言葉は、善的内容を多分に蔵しています。故に、軟らかくして連続的であり、太陽の(〇の中にゝの印)(ひかり)と●(熱)とに譬(たと)えることができます。また、歓喜の現われとして真に位置する霊人の言葉は、智的内容を多分に蔵しています。故に、清く流れ出でて連続的ではなく、ある種の固さを感じさせます。そしてそれは月の光と、水のごとき清さとを感じさせます。また前者は曲線的であって消極面を表に出し、後者は直線的であって積極面を表に出しています。また前者は愛に住するが故に、主としてOとUの音が多く発せられ、後者は智に住するが故に主としてEとIの音が多く発せられています。そして、そのいずれもがA音によって統一要約する神密極まる表現をなし、またそれを感得し得る能力を持っています。しかし、これらOU、EI及びAの母音は想念のゝをなすものであって、地上人よりすれば、言葉そのものとしては感得し得ないことを知らねばならないのです。霊界における音楽もまた同様であって、愛を主とした音楽はO及びUを多分に含み、曲線的であり、真を伝える音楽はI及びEの音が多く、直線的です。それは、言葉そのものがかかる内質をもっており、各々が霊界における生命の歓喜の表現なるが為です。またこれら霊人の言葉は、天的の韻律(いんりつ)をもっています。すなわち愛を主とするものは、五七七律を、真を主とするものは、三五七律を主としているが、その補助律としては、千変万化です。言葉の韻律は、地上人が肉体の立体を持っているごとく、その完全、弥栄を示すものであって、律の不安定、不完全なものは、正しき力を発揮し得ず、生命力がないのです。